学級がスタートして3週間。
少しずつ落ち着きが見え始める一方で、子どもたちの“本音”も見え始める時期です。
そんな中で、ふと耳にする言葉。
「前の先生の方がよかったな」
正直、胸に刺さります。
どんなに準備してきても、どんなに丁寧に関わっていても、この言葉は教師の心を揺らします。
ですが、まず大切にしたいのは――
この言葉は“否定”ではなく、“比較の中の感情”だということです。
子どもにとって、担任の先生は大きな存在です。
環境が変われば、不安も出ます。
その不安を埋めるために、「前の先生」を基準にして安心しようとするのです。
つまりこの言葉は、
「今が不安です」
というサインでもあります。
■ まずは受け止める
もし目の前でその言葉が出たら、否定する必要はありません。
例えばこんな語りです。
「そう思うんだね。前の先生、優しかったもんね。」
ここで大切なのは、
否定しないこと・感情を認めることです。
「そんなこと言わない!」と止めてしまうと、
子どもは“気持ちを出してはいけない”と学んでしまいます。
まずは受け止める。
これが第一歩です。
■ そのままにはしない(ここが重要)
ただし、受け止めるだけで終わりません。
その後、必ず伝えます。
「でもね、今はこのクラスでみんなと一緒にやっていく時間なんだよね。」
「比べるより、“今どうするか”を考えていこうね。」
ここで初めて、方向づけをします。
ポイントは、
* 感情はOK
* 言い続けることはNG
この線引きを、優しく・はっきり伝えることです。
■ 学級全体への語り(おすすめ)
個別ではなく、全体にこんな語りも効果的です。
「前の先生と比べたくなる気持ち、先生も分かるよ。」
「でもね、先生もみんなも、今年のクラスは今年のクラスなんだ。」
「これから一緒に“いいクラス”を作っていこう。」
この語りには、
* 共感
* 現実の提示
* 未来への視点
が入っています。
子どもは、「否定されなかった」と感じながら、前を向くことができます。
■ やってはいけない対応
逆に避けたいのはこの3つです。
① 感情を否定する
→「そんなこと言わない!」は逆効果
② 自分を正当化する
→「先生だって頑張ってる!」は子どもには届きません
③ 放置する
→言葉が習慣化します
特に③は要注意です。
何も言わないと、「言っていい空気」になります。
■ 教師としての捉え方
この出来事は、実は悪いことではありません。
なぜなら――
子どもが安心して本音を出している証拠だからです。
本当に怖いのは、何も言わない状態です。
言葉が出るということは、関係が始まっている証拠。
ここから、関係をつくっていけばいいのです。
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