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ホメロス 483/JUNE.7

ホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』で語られる物語の影響は今日も残っている。コンピューターのマルウェア「トロイの木馬」や、アメリカのマンガ『XMEN』の登場人物サイクロップスから、「弱点」を意味するアキレス腱、「誘惑」を意味するセイレーンの歌声まで、この叙事詩に出てくるものは今も、私たちの文化に欠かせないものとなっている。

◆『イリアス』と『オデュッセイア』は叙事詩──ギリシア語で書かれた長大な韻文作品──で、朗誦つまり声に出して歌われていたらしく、文字に書き記されるまでは口承で語り継がれていた。その過程でホメロスが実際にどのような役割を果たしたのかは今も謎のままだ。どちらの作品も前8世紀かその前後に、古代ギリシアの一部で現トルコの地中海沿岸にあたるイオニア地方で成立したと考えられている。

 『イリアス』は、アキレウス、アガメムノン、ヘクトルなど、アカイア(ギリシア)とトロイの間で起きたトロイ戦争に従軍した英雄たちの活躍を描いている。神話によると、この戦争は、トロイの王子パリスが世界一の美女であるスパルタ王妃ヘレネを誘拐し、トロイに連れ帰っ戻り、貞淑な妻ペネロペイアに言い寄っていた何人もの求婚者たちを皆殺しにした。

 

作者について詳しいことは分からないが、『イリアス』と『オデュッセイア』は、古代ギリシアの日常生活に文化面と実用面で大きな影響を与えていた。ふたつの叙事詩を最初から最後まで暗記することが当たり前に行われていた。

 古代ギリシアの黄金時代は前100年代に終焉を迎えるが、ホメロスの作品は生き残り、ウェルギリウスの『アエネイス』など古代ローマの叙事詩に影響を与え

豆 知 識


1.かつてトロイ戦争は伝説にすぎないと思われていたが、19世紀後半にトルコで行われた数々の発掘調査の結果から、何らかの歴史的事実に基づいているのかもしれないと考えられるようになった。

2.トロイのヘレネの美しさを描写した有名な言葉「1000の船を動かした顔」は、『イリアス』には出てこない。これはイギリスの劇作家クリストファー・マーローの戯曲『フォースタス博士』(1604年)の一節だ。

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