いのちなき砂のかなしさよ
さらさらと
握れば指のあひだより落つ
たはむれに母を背負ひて
そのあまり軽きに泣きて
三歩あゆまず
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
若くして世を去った啄木には、どこかにヒロイズムに似た空気がつきまといますが、一方で金銭感覚にはずぼらな面があったことでも有名です。



それゆえに、周囲が放っておけない不思議な魅力もあったのかもしれません。『はたらけど・・・ぢっと手を見る』の歌からは、啄木のキャラクターが浮かび上がってくる気がします。そうした人間の弱さも含めてじっくり読んでみては。
『あらすじ』
朝日新聞の校正係だった啄木が書き下ろした初めての歌集。啄木はその2年後にこの世を去っている。
当時の上司で俳人もあった社会部長の渋川玄耳が序文を執筆している。誰もが日常で感じがちな感覚が、啄木らしい散文的なスタイルで綴られている。

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