
茶色の戦争ありました
幾時代かがありまして
冬は疾風吹きました
幾時代かがありまして
今夜此処での一とさかり
今夜此処での一とさかり
サーカス小屋は高い梁
そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ
文字数が多めですが、幻想的な世界が完成されて描かれているので、全文を抜粋しました。サーカスというのは、華やかさと怪しさが同居する不思議な空間というイメージがあります。
観客が鰯というのも面白い。会場の雰囲気を自由に想像しながら読んでみるといいですね。
空中ブランコが揺れる『ゆあーん ゆよーん』などは、特にその柔らかな運動性を意識しながら楽しんでみてください。
あらすじ
昭和9年に中原中也が生前に出した唯一の詩集である『山羊の歌』に収録。
詩全体が七音と五音の組み合わせでリズムを構成している。サーカスという非日常的な空間が、中也特有のオノマトペによって、まるで夢の中のできごとにように映像的に歌われている。

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