健康あっての教師人生

⭐️教壇に立ち続けるために、『今』できること⭐️

走れメロス 太宰治 548/JUNE.30

ふと耳に、潺々、水の流れる音が聞こえた。そっと頭をもたげ、息を吞んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上がって、見ると、岩の裂目から滾々と、何か小さく囁きながら清水が湧き出ているのである。その泉い吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手で掬って、一くち飲んだ。

ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労恢復と共に、わずかながら希望が生まれた。義務遂行の希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である。斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。

私の命なぞは、問題ない。死んでもお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ!メロス。

走れメロス 『太宰治』著 

あ ら す じ

暴君ディオニスによって刑に処されることとなったメロスは、妹の結婚式に出るため、3日間の猶予を求めた。身

代わりに無二の友であるセリヌンティウスが拘束されてします。

メロスは妹の結婚式に無事に出席した後、友を救うために、暴君の下へと急ぎ、走り続ける。

【ひとこと感想】 

疲れ果て、諦めかけたメロスが水を飲んで覚醒する印象的な場面です。わたしたちも日常で絶望感を感じたときは、美味しいものを食べて、楽しいことを考え、メロスのように心をリフレッシュして前へ進みたいものですね。

一文がテンポよく表現されています。『復活』『回復』といったワードをイメージしながら力強く読んでみるといいで

すね。また、『走れ!メロス』の部分などは、声を張って読んでみるときっと元気が出ることでしょう。これこそが、

音読の醍醐味ですね。

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