
おはようございます。つい先日ニューパラダイスシネマが上映されるといことで、娘を連れて鑑賞しに行きました。
同じ映画は劇場で見ない主義ですが、この映画はなんと3度目。それだけ大好きな映画です。これまで数千本の映画を観た中でも指折りに入るぐらいの映画です。
内容はほぼ知っているが、毎回涙なくしては観れない映画です。しかも自分が観た年代によって共感する部分も毎回違うところが好きです。
あらすじを載せておきます。👇
シチリアの小さな村で青春時代を過ごし、現在はローマで暮らす映画監督のサルヴァトーレはある日の深夜、地元にあった映画館「パラダイス座」の元映写技師アルフレードの訃報を聞きます。思わずサルヴァトーレは過去の思い出を回想するのでした…。第二次大戦時、幼少時のサルヴァトーレことトトが住んでいた村の唯一の娯楽は、パラダイス座での映画鑑賞のみ。トトも足しげく映画館に通いつめる毎日を過ごしており、特に映写技師アルフレードが籠る映写室に入り浸っていました。当時のイタリアは検閲により、劇中でキスシーンなどがあると神父がベルを鳴らし、そのシーンのフィルムをカットしなければなりませんでした。そのカット技術が巧みだったアルフレードをトトは尊敬していたのです。最初こそアルフレードはトトを邪魔者扱いしていたものの、次第にふたりの間には世代の枠を超えた友情が芽生え、ついにはトトは映写技師の仕事を習うまでになります。トトはカットしたフィルムを欲しがるも、配給会社に返却する際に元通りにする必要があると拒否されます。そんなある日、パラダイス座でフィルムが焼けて火事が発生。トトの救出によりアルフレードは一命を取り留めるも、視力を失ってしまいます。代わりにトトが映写技師として働くようになり、成長するにつれ映画撮影に興味を持つと同時に初恋を経験していきます。アルフレードはそんなトトに「外の世界を見て来い」というアドバイスを授け、ローマに旅立たせるのでした。それから30年が経過し、映画監督となったトトことサルヴァトーレは、アルフレードの葬儀に参列するため故郷に戻ります。かつて入り浸っていたパラダイス座も閉館し駐車場になる聞き、寂しさを募らせていたサルヴァトーレはアルフレードの形見を渡されます。それは一本のフィルムで、かつて検閲でカットされたキスシーンをつなげたものだったのです。試写室でサルヴァトーレは、ひとり涙をこぼすのでした。
今回の注目のシーンは、どの瞬間を契機に友情の枠を超えていったのか。
隣のおじちゃんの枠を超えた絆
そこにあるのは父性かもしれない
トトには実の父親がいたが、戦争に行ったききロシアから帰ってこななかった。劇中では語られてはいなかったが、おそらく戦死したのであろう。
そんな折、トトは映写技師のアルフレードと出会う。最初はけむたがっていたが、次第にふたりの間には友情が芽生えていった。その二人の友情シーンを巧みに描いたのが、ポスターでよく観る、自転車のカゴにトトを載せて走るシーンだ。ハイライトにもなるこのカット。どこか牧歌的が描写が70年代のイタリアを上手に写しだしている。

そして、二人の二人の傷な確かなものにしたのが、あの火事事件であった。小さいトトは力いっぱいアルフレードをかつぎ失明はしたが、なんとか一命をとりとめた。失明となったアルフレードが、トトの顔を掌でさわり、ゆっくりと掌が開いた瞬間、それまで子どもだったトトが青年になっていた。
この時間の描きかたのなんたるや。本当に美しい。
そして、ここからは青年期のトトの青春時代が始まる。一人の女性に一途に恋をして、成長をしていくトト。そんな姿をサングラス越しからいつもアルフレードを見守っていてくれた。時には、親友のように女性へのくどき方も伝授してくれた。
時代は流れ、トトは国のために出征も経験した。ここまで様々なできごとが点と点でちりばめられていたが、ついに一つ線になった瞬間がおとずれる。その線のいきつく先が何なのか?

久しぶりに再会した二人は、外で散歩をした。その散歩はこれまでの郷愁をなつかしむものでなく、これまでの思い出を忘れろといったものであった。
『トト、お前はこんな小さな村に残る人間ではない』
『お前の未来は前途洋々だ。だからこの村から出ろ。そして戻ってくるな。さみしくて戻ってきても絶対に会わん。』
『これまでの思いでは全て幻想だ。その幻想を忘れろ。いいなトト』。
こんなようなやりとりが、数分間続いた。そしてこの瞬間、二人の友情物語が、父子関係に昇華されたように見えた。
こんなこと、もしかしたら実の父親でも言ってくれやしないだろう。トトは口には出さなかったが、父のような存在として崇めていたと思う。そしてなによりも、自分の子のように時には優しく、時には厳しく接してくれたアルフレード。
自分の目に入れてもいたくないほどトトをかわいがっていた。あの火事以降、失明はしたが、間違いなく人生を豊かにしてくれた。この絶縁状はアルフレードの精一杯の愛情なんであろう。
旅たちの駅でも、ただ一人振り向かなかった。まさにこれこそ父性のそのものだと思う。
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