来年度から高校の必履修科目となる「現代の国語」の教科書に、ある教科書会社が「羅生門」などの小説を載せ、物議をかもしている。
同科目では「文学的な文章を除く」と学習指導要領の解説で示されたが、五つの小説を載せた教科書が検定で合格。ライバル会社が「疑義」を呈した。

羅生門以外では原田ハマの「砂に埋もれたル・コルビュジエ」、夏目漱石の「夢十夜」、志賀直哉の「城の崎にて」、そして村上春樹の「鏡」である。
文科省は教科用図書検定調査会議で、第一学社の「現代の国語」が検定で合格した理由について「小説が盛り込まれることは本来想定されていないが、文学作品を掲載することが一切禁じられているわけではない」と説明。その上で、「今回の事態を重く受け止め、今後はおり一層厳正な審査を行う」とした。

国語の教科書を使って授業する立場からいうと、文学も重視したい現場とずれがあったのだと思う。評論や新聞記事、法令文などを教材に実社会で役に立つ国語を学ばせたい新学習指導要領の狙いと、小説などの文学も重視したい教員側の意向のズレがある。

受験のことを考えると、なかなか小説に骨太の小説にふれる機会が少ない。大人になって文学作品を読み始める人も多い。もっと早い時期に読んでおきたかったと思うこともしばある。個人的には文学を重視するのに肯定的な立場である。教科書をあけると、夏目や芥川、そして、村上春樹の作品が掲載されている。今の高校生たちがうらやましい。

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