最近出勤途中に、引越し作業の車をよく見かける。今も昔も変わらないこの時期の朝の風景だ。
朝からご苦労様という気持ちで自転車で通り過ぎて学校に着く。さっきまで『行くのが億劫だなぁ』という気持ちが一気に吹き飛ぶ。

それにしても、引越しってなんだか胸がおどりませんか?私は、これまで3回引越しをしている。その中でも1番印象に残っている引越しについて話します。多少思い出にひたりながら。
大学受験が無事に終わり、3月10日に高校を卒期した。その夜、地元(足利市)の別の学校に行った友人から電話が入った。『引越し先決まった?、いつ足利出る?』と聞いてきた。
その時はまだ引越し先は決まっていなかったけど、『たぶん西武新宿沿線かなぁ』なんて言ったと思う。その後はお互いに憧れの東京生活がもうすぐ始まる喜びで浮かれた話をしていたと思う。合コンしたいなぁみたいな。
そして、明日れいの物を持って渡良瀬橋の下に集合しようと言って別れた。あるものとは、中、高の思い出の品々。特に男として部屋に置いといたらまずいものがメインだった。

自分は旅行バックがパンパンになるぐらい雑誌、ビデオ、アイドルグッズを入れた。ちょっと背伸びをした気分だった。
友人はなんとスーツケースで来た。つくづく変な奴だ。(ちなみに立派に医者になったが。)中身が気になる。何が入っているのか気になったので、正直に見せてと言った。

誰にも言わないでと念を押された。言うはずなんかないのに😋鞄の中にたまたま入っていたスポーツ新聞をフリマーケットのようにを広げて陳列してみた。ほとんどピンク系のものだった。三浦理恵子、高橋真理子のグッズにはドン引きしたが。
これらの品々は、新たに始まる学生生活の妨げになるので手放す必要があった。男なら誰もが通る正しい道だ。個人的な卒業式が終わり、質屋と古本屋に売った。尾崎豊が歌った『卒業』の歌詞で『心からの卒業』というものがある。そんな気分だった。
自分の品は、◯◯ルイのVHSのビデオや◯◯ひかるのものがいくつかあった。大学受験の赤本や代ゼミのテキストも売った。工藤静香のグッズも売った。CD以外は。なぜかキン消しも入れた。宮沢りえの写真集もすんなり売った。



全部で50点以上あったが、たしか1000円にもならなかった。嬉しくも悔しくもなかった。その旅立ちのお金でラーメンを食べた。
4年後、あの質屋に立ち寄ってみた。なんと三浦理恵子のものは時が経ってもあった。工藤静香のものは当然ながら無かった。これはこれで大きな価値ある勝利である。

おそらく今も、旅立つ前の少年は、質屋に思い出のものに別れをつげに行くだろう。上京中に、勝手に親に捨てられたり、発見されたりしたら、それはそれでまた厄介な問題に発展する。また、兄弟に物を見られたとしたら、墓場までネタにされるかもしれない。
引越しってつくづくそういうものだと思いませんか。
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