
あかあかと一本の道とほりたり
たまきはる我が命なりけり
草づたふ朝の蛍よみじかかる
われのいのちを死なしむなゆめ
かうかうと西吹きあげて海雀
あなたふと空に澄みゐて飛ばず
ゆふされば大根の葉にふる時雨
いたく寂しく降りにけるかも
ものの行とどまらめやも山峡の
杉のたいぼくの寒さのひびき
朝あけて船より鳴れる太笛の
こだまはながし竝みよろふ山
あらたま 斎藤茂吉
あ ら す じ
斎藤茂吉の第二歌集。大正10年刊行。大正2年9月から大正6年までの作歌746首を収めたもの。『一本道』『朝の蛍』『冬の山』『深夜』『晩夏』などの作品を所収。はげしく生命を歌い上げた第一歌集『赤光』の叙情が、本作では次第に内に潜まって、より現実的に深化した作品として、一般に評価されています。

音読を楽しもう
『あかあかと』『たまきはる』『かうかうと』など、古来より日本人が愛した大和言葉の楽しさを味わいながら音読するとより深みがでますね。


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